今年の除草対策

有機無農薬栽培では、除草がとにかく大変です。今まで行った除草法は、アイガモ、動力除草機、手取り除草、菜種粕、米糠、赤浮き草・・・等々で、今は、これらを組み合わせた除草法をとっています。
6月2日に田植えが修了した岸の田んぼでは、米糠、菜種粕の方法(元肥の効果も兼ねる)及び、今年から新たに液体マルチ(活性炭)による除草法にもチャレンジする事になりました。

菜種粕による基肥と除草効果の期待。

菜種粕を散布すると、元肥効果が期待されるとともに、除草効果も期待されます。今までの経験から、ヒエには効果が大変高かったです。これは、菜種粕が田んぼの中で発酵する段階で土壌が還元状態(酸欠状態)になり、酸素がなくては発芽できないヒエ等の湿性植物の発芽が抑制されるものと考えられます。しかし、コナギ等の水生植物は平気でどんどん発芽してきます。このため、この方法では、コナギの除草のため、除草機の使用と手取り除草は不可欠な作業となります。
10aに120㎏散布します

米糠による方法

米糠も菜種粕と同様の効果が期待できます。菜種粕もそうなのですが、米糠はそれに増して、非常に軽く、かさが多いため、10aに100㎏散布しようとすれば、バケツに何杯もの米糠を繰り返し散布することになり、とても散布時間がかかります。
また、発酵の段階で非常に臭いもします。ちょっと人里離れた籾村でないと近所からクレームが来るかもしれません。

10aに100㎏散布します

今年期待の液体マルチ(活性炭)による除草法

液体マルチは某メーカーが開発した活性炭を主原料とした天然の資材です。まさに墨汁です。これを田んぼに入れて、田んぼを炭で真っ黒にして、光をさえぎり、雑草の発芽を阻害する方法です。液体マルチの効果は、5日~7日程度なので、とりあえず、今年は1週間おきに3回散布することにしました。
さてどうなることでしょうか?、しかし、1回分で10a当たり、6000円位の経費がかかり、ちょっと苦しいかな?
真っ黒の液体です

柄杓でまきました

散布前

散布したら真っ黒です

除草対策は、無農薬栽培の永遠のテーマです。昔から、先人は除草には非常に苦労しています。現在驚くべき効果の高い除草剤というものが開発され、農家は除草が革新的に楽になりました。米の栽培技術の中では、除草剤は田植機の普及と並んで革新的で農家に大きな恩恵を与えたものです。
我々は、全国の農家が除草剤を使用することは当然のことだと思いますし、除草剤を否定することはしません。もちろん私たちも低農薬の栽培ほ場では、農薬は除草剤を1回だけ使用しています。しかし、無農薬では当然除草剤は使用せず、あえて苦しい道を選んでいます。液体マルチでも100%の効果は期待できませんし、100%の効果があってはむしろ不気味です。色んな技術を組み合わせて駆使して私たちと雑草との戦いは続きます。