溝さらえ

めいめいに「くわ」や「じょれん」を持った老若男女。一体みんなで何をしているのでしょうか?5月25日、池水落水の1週間前日曜日は地区民総出でため池の水路の掃除をしました。籾村は山の上に田んぼがあり、水田用水は天水とため池の水です。ため池の水も限られており、下籾水利組合では、毎年6月1日からため池の水を使うことができることとなっています。その1週間前には、地区民総出で、用水路の清掃「溝さらえ」をします。
籾村にとって、ため池の水は田んぼの用水だけではなく、実はもっと大切な存在価値があります。それは防火用水です。籾村に水道施設ができたのは平成6年のことです。水道と同時に消火栓も整備されましたが、過疎の山村籾村は、民家が点在しており、消火栓だけではとうてい有事の際の消火活動用の水を確保することができません。そこで、昔から、ため池の水を防火用水としています。このため、「溝さらえ」は水稲を作付けしている人はもちろん、下籾地内に住んでいる人、家も持っている人全員が参加して行われます。この写真では、下籾の中の「源田地区」住民13人で長谷池水路をさらえているところです。下籾地内には、大小9個の農業用ため池があります。それぞれの池から田んぼに水を引く水路が地域の等高線に沿ってのびています。さらに、ため池に水がよくたまるように、「承水溝」という山や谷から雨水をため池に引き入れる溝もあり、それらの総延長は想像もつかない長さです。
下籾地内の小字ごとに担当する水路の範囲が決められていて、各小字ごとに一斉に溝掃除が行われます。私たちの村では、このように、農業の面でも生活の面でも「共同作業」は欠かせないものです。これらの作業を通じて地域の連帯感が育まれていくものと思います。
しかし、これも結構腰が痛い作業です、しかし、大勢でするからこそできる作業です。
一週間後の6月1日にはこの溝をため池の水がとうとうと流れることでしょう。

乗用田植機

今年は5月中旬に雨天の日が多く、早めに水がたまったので5月24日から田植えを始めました。私岸も「若い若い、まだまだ元気」と自分に言い聞かせ、昨年までは、歩行型2条の田植機で田植えをしていましたが、どうも最近、腰痛ect体に無理もきかなくなってきました。今年は乗用田植機を購入しました。とてもらくちんです。きれいに植えられています。

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不整形の田んぼでは、植え付ける順序もよく考えて田植えしないとなりません。

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昨年までは、歩行型2条植え田植機を使っていました。歩行型田植機は、田んぼの中を押して歩くのも足が疲れるのですが、あぜぎわでターン(方向転換)するのも力がいって腰が痛いものです。ちなみに、歩行型2条田植機で、田植え作業をする場合、10a(1,000㎡)植える場合、何メートル歩かなくてはならないでしょうか?
田植機の作業幅は2条で60㎝ですから、1,000㎡で歩く距離は、1,000÷0.6m=1,667mです。
籾村の田んぼは、等高線に沿って作られている棚田で、長方形の田んぼはほとんどありません。アメーバ型、三日月型、おむすび型、台形、そして究極は「ひょうたん型」と不整形な田んぼが多いため、たぶん10aで2㎞以上は歩くのではないでしょうか。それを最大1日で50a位歩きますから、1日にぬかるんだ田んぼの中を10㎞も歩くことになります。さすがに足腰にきます・・・・。背に腹はかえられず、文明の利器乗用田植機を購入したわけです。これで1日50a植えても足の疲れは全然違います。