水木しげるロード

JR境港駅です。鬼太郎列車こと妖怪列車が駅のホームに止まっていました水木ロードを散策してみました。私にはなぜか、「田の神」と「泥田坊」が心に残りました。たくさんの妖怪がいましたが、なぜか農業に因んだ妖怪が多いと思います。これは日本は昔、ほとんどの庶民が農民であったせいだとは思いますが、昨今の農業の担い手不足や耕作放棄地の発生など農業や田んぼに若者の目が向けられなくなった時代に、何かもの悲しく見えました。
私たちの村では、旧暦の10月に亥(い)の日が2回あれば1回目の3回あれば2回目の亥の日に祭ります。
この日は大根が音をたてて太るから大根畑に入ることが禁じられて農作業は休みます。
亥の子は百姓の神(田の神)でアカギレの神様だともいわれています。
モチをつき、ユズとともに神に供えます。また、この日に「コタツ」を開けると火事にならないそうです。
夕刻に子供たちが「亥の子、亥の子、亥の子晩に、祝わんうちは、鬼うめ、じゃうめ、角の生えた子うめ」と大声を出して近所を廻ったそうです。

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泥田坊の話を職場の同僚から聞いて思わず感動しました。
泥田坊は昔、田を子孫のために一生懸命に耕していた男の息子が、農業せず田を他人に田を売ってしまい、夜になると「田を返せ」と言って出てくるそうです。
最近は、農業の情勢も厳しく、田んぼを耕す後継者がどんどん減っています。加えて、普通の米作りのではなかなか収益性が上がらず、耕作放棄されていく田んぼが増えています。
いま中国地方のあちこちで耕作放棄地が目立つようになりました。他人に売らずとも、先祖伝来の田が荒らされていくのには悲しい思いがあります。とは言っても米作りでは儲からないし、難しい時節になりました。いまあちこちの耕作放棄でむかし「田を返せ」と嘆いていた泥田坊は今日では「荒れた田んぼを元に戻してくれ」と悲壮な叫び声を上げているような気がします。

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