空き屋バンク

私どもの住む地区は山の上の僻地にある農村集落です。農業や社会情勢の変化の中、衰退の一途をたどっています。
・昭和46年減反政策の開始・高度経済成長
・米価の下落と米に替わる農作物の不定着
 →生産人口の他産業従事、地区内人口の流出
 →農業の担い手不足、耕作放棄地増大
このようなことを経て1番のグラフのように、農地、水稲の作付面積は直線的に減少し、かわって耕作放棄地が順調に増加してきました。この構図は地区内の誰もが止めることはできませんでした。
昭和45年に170人いた人口も平成17年には95人となり、高齢化率は52%と過疎高齢化がすすんでいます。現在は人口は70人と更に減少し、集落の維持もギリギリの状況になりつつあります。しかしその一方、高齢化率は46%下がっているのも新しい事実です。
 2番目のグラフのように、現在世帯数は33ですが、そのうち10世帯は移住者です。先住世帯の5割は老人のみの世帯なのですが、移住者の世帯はほとんどが若者がいる世帯です。もしも移住者がなかったら、集落はすでに崩壊していたかもしれません。
 移住者は約20年前から徐々に増えています。今後とも地区の存続には移住者は不可欠です。町役場も定住促進課を設置して活動しています。地域でも受け入れ体制や空き家や空き農地提供、地域へのスムーズな溶けこみの支援を行って行く必要があります。
 3番目のグラフのように、現在地区には54戸の家があり、内常時居住は33戸、別荘が3、セカンドハウスになっているのが4戸であり、14戸が空き家になっています。14戸空き家の内、管理されてのが8戸で荒れているのが6戸です。諸事情もありますが、荒れてしまわないうちに、移住希望者にお貸しすることができればベストなのです。先祖の墓、土地・・・・いろんな事情があるのですが、空き家は地域にとっても負の遺産です。
 つい最近、移住者が増加しつつある事実と町役場の取り組みのおかげで空き家バンクに2軒の登録がありました。
昨日は新たに移住を検討されている方が空き家や農地の見学に来られました。若いご夫婦と子供さんの家族です。気に入ってもらえば嬉しい限りです。