今年も米作りが始まりました

4月に入り、もう種籾の準備の頃になり、今年の米作りがスタートしました。4月7日は種籾の準備を行い、苗代の水溜をしました。
これからのスケジュールは・・・
種籾の選別4月7日、種籾を唐箕で「しいな」を飛ばし、塩水につけて塩水に浮いた籾を除去(塩水選)します。こうすることにより、充実した籾だけを種にするようにします。浸籾選別した籾は、約10日間、水に浸けて十分吸水させます。催芽4月19日(予定)十分水を吸った籾は一晩風呂に浸けると一斉に発芽します。播種4月20日(予定)発芽した種籾を播種します苗代づくり播種した苗箱を苗代に運びます。その前に苗代では、畦を立てて、苗箱を並べる「短冊」をつくっておきます。通常、田んぼの水は溜池から引くのですが、苗代をするこの頃は集落の溜池の水は使わないルールになっていて、近くの谷につくっている小さな池から、ポンプで水をあげて水溜をします。ちなみに、ポンプは谷の池に2台設置しており、10馬力と11馬力のディーゼルエンジンで、100m~150m水をあげています。

田植の頃です

今年は、連休前にたくさんの雨が降って、水溜も順調に進みました。今日から田植えを始めました。先日まで、水溜でクワを使った作業をしたり、長い間トラクタに乗ったりして、私(岸)はすっかり腰痛に悩まされるようになってしまいました。もう40になりました若くないですね。無理はできません。早速昨日26日には整骨院に行って腰のマッサージをしてもらいました。
と言うわけで、昨日、今日と妻に田植えをしてもらいました。



ということで、2日間で8枚の田んぼ(49アール)を植えました。
田植えがすんだ田んぼもなかなかきれいです。

稲の種まき

今年も例年なみに、4月8日に種籾を塩水選し、4月20日に風呂の中に入れて芽出しをしました。
左写真のように、種籾が鳩胸のようにふくらみ、少し芽が出ると種播きの適期です。
なぜ、このように発芽させた籾を播くのがよいのでしょうか?。それはよくそろった良い苗を作るためです。稲作りでも苗半作と言われるくらい、苗は大切です。ここでこの段階でどの種籾のこの写真のようにバッチリ発芽していないと、発芽がばらばらになって、均一な苗になりません。均一な苗にならなかったら、その後の管理も難しく、ましてや農薬を使わない稲作りではとても困ります。
今年もバッチリ発芽してなによりです。


種まきは、前もって準備しておいた土を苗箱に入れて、その中に先ほどの鳩胸状態の種籾を播き、上に覆土してできあがりです。


この後の管理は育苗の方法によって色々あります。
育苗機という機械で保温して発芽させて、その後、苗箱を並べる方法が一般的ですが、我が家では、田んぼに水苗代を作って育苗する方法をとっています。

田植えからそろそろ1ヶ月、除草剤を使用しない無農薬栽培の田んぼでは、わんさか雑草が生えてきました。

今、我が家で行っている無農薬栽培での除草法は、まず田植え後2日目に、菜種粕または、米糠を10アール当たり120キロ散布して、田面を還元状態にします。もちろん菜種粕や米糠は有益な窒素肥料でもあります。
しかし、コナギ、アオミドロなどの水生雑草はどんどん生えてきます。そのため、田植え後2週間目くらいから2~3回動力除草機を押します。

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貴重な水を田んぼに配る水番作業

籾村の田んぼはの水は、天水及び溜池でまかなっています。梅雨の期間は雨水で田んぼは潤いますが、晴天が続くと、溜池の水を田んぼに入れます。籾村はご存じのとおり山の上にあるので、溜池の水は貴重品です。溜池の水を無駄なく使うため、各池毎に「水番」をおいて、水番の人がそれぞれの池掛かりの田んぼに水を入れることになっています。
水番は、早朝から池の樋を抜いて、水路に水を引いて一枚一枚の田んぼに平等に水を配っていきます。なかなかしんどい作業で、最近は高齢化も進み、水番をする人が限定されてきました。
1999年7月11日は長谷池水路では、籾村セーフティーライス倶楽部の宮本と岸が水番をしました。
7月11日は、朝4時半に池に行って樋を抜きました。長谷池では以前は、木製の栓を抜いていましたが、危険なため昨年秋に金属製の樋に改修しました。しかし下半身をぬらして4本くらいの樋を抜かなければなりません。

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溜池から、田んぼまでの水路は長く、竹藪の中を越え、木々の間を越えて、田んぼまで続きます。

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池の樋を抜いて、水は延々と等高線上をほぼ水平に続く水路を約一時間もかけてやっと田んぼに入ります。この水路の管理は大変です。
毎年、部落総出で、落ち葉や溜まった泥をさらえたり、補修したりして水路を維持します。
また、1月には、また部落総出で、溜池ののり面の草を刈って、溜池の土手を維持しなくてなりません。籾村の水田水利にはなかなか平地では考えられない苦労もあります。

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水番の三種の神器です。
・単車
水を配るのに歩くのでは大変です。かといって自動車が通れる道ばかりではありません。こういうときは単車が重宝します
・クワ
単車の後ろに積んであるのは芝切り鍬です。水路から田んぼに水を漏らさずに入れるためにクワで芝を切ったりします。また、マムシなんかもいるのでクワは必需品です。
・使い古しのポリシート
水路から、田んぼに水を入れる孔をふさいだり、水路から水が漏れるのを防ぐためには、使い古しのポリエチレンが重宝します。稲の苗を作る時に使ったシートをリサイクルして使っています。

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こうして、早朝に池の樋を抜いて、夕方5時に池の樋を挿すまで、12時間以上水番の仕事は続きます。特に最近は、高齢化がすすみ、水番をする人がいないので、晴天が続くと、土曜日曜は毎週水番をすることになります。翌週の月曜は、職場で居眠りをしてしまいます・・・・。