有機栽培の稲に次なる難敵が

最近はずっと曇天の日々が続いていますが、雑草と稲の戦いはまだまだ続いています。結構稲も健闘しています。

しかし・・・。
稲は、やや軟弱気味に生育してしまい、「葉いもち」が出てしまいました。
有機無農薬で米作って18年目になりますが、いもち病が出たのは初めてです。それだけ、今まで稲の生育が悪かったのかもしれませんが。

雑草の「コナギ」には全然病気なんかは発生していません。天候が回復しないと、上位葉までますます蔓延したり、発生が広がったり、「穂いもち」になったりするのが心配です。なすすべ無しなので仕方ありませんが、稲が出来ないよりはましです。

ほ場巡回を行いました

本年も有機JASほ場の内部監査として、ほ場巡回を行い、生育状況等の確認と研修を行いました。
これは、有機JASに基づく籾村セーフティーライス倶楽部の「有機農産物の生産行程の管理及び格付の実施方法に関する業務規程」第19号にもとづき、籾村セーフティーライス倶楽部定める「生産管理方針」にそって栽培が行われていることを確認するとともに、ほ場での課題や今後の対策を会員相互で研鑽するために行うものです。


景山
(1号ほ場 有機栽培開始 平成7年)
昨年はコナギにやられてしまったほ場ですが、今年は稲の生育がコナギの生育に勝り、順調です。

(2号ほ場 有機栽培開始 平成9年)
こちらのほ場も、コナギ、イネミズゾウムシの被害が少なく、順調です。


治部

(1号ほ場:上 2号ほ場:下  有機栽培開始 平成15年)



(1号ほ場 5a 有機栽培開始 平成7年)
平成7年以来13年間有機JASで水稲栽培を行っていましたが、今年は大豆を栽培してみました。

(2号ほ場 有機栽培開始 平成9年)
昨年は大豆を栽培したほ場です。1年間畑状態で管理するとコナギの発生が減少するかと思いましたが、やっぱし今年もたくさんのコナギが発生しました。しかし、何とか稲が勝っているような感じです。

(3号ほ場 有機栽培開始 平成19年)
(4号ほ場 有機栽培開始 平成19年)
有機栽培2年目のほ場ですが、いきなりコナギの発生が多く、稲が痛めつけられています。


杉山
(1号ほ場 有機栽培開始 平成7年)
(2号ほ場 有機栽培開始 平成7年)
コナギは水生植物で、湛水状態で生育旺盛です。今年は田んぼを干し気味に管理し、何とか稲の方が生育が勝っているようです。

(3号ほ場  有機栽培開始 平成7年)
このほ場は特に干し気味の管理を行い、田植え後2週間目から田んぼを干して管理してきました。確かにコナギの生育に稲が勝っています。
コナギ以上に稲の生育を阻害するのが「イネミズゾウムシ」です。下の左の写真はイネミズゾウムシに加害された株です。根が非常に少なく、褐色になってしまった根が多いです。右の写真もイネミズゾウムシに加害され、蛹(土繭)も見えますが、イネミズゾウムシの食害以上に稲の発根があり、白い根も見えます。この株なら十分な収穫が期待できます。

播元(1号ほ場 有機栽培開始 平成14年)
昨年までは、除草機や手取り除草でコナギの生育を抑えていましたが、今年はコナギに押され気味です。


宮本
(1号ほ場 有機栽培開始 平成11年)
宮本会長のほ場です。こちらも毎年コナギには泣かされていますが、今年も、コナギ、イネミズゾウムシに押され気味です。これから再度、中耕除草を行い、稲の生育回復にチャレンジします。


光元
(1号ほ場 有機栽培開始 平成14年)
昨年は、黒大豆を栽培したほ場です。稲の生育は旺盛で順調ですが、今年はコナギは少ないのですが、「ヒエ」の発生がすこぶる多いようです。
また、生育が不良な株を抜いてみるとやっぱしイネミズゾウムシの土繭がしかり根についていました。
(2号ほ場 有機栽培開始 平成17年)


赤木
(1号ほ場 有機栽培開始 平成19年)
有機栽培水稲2年目で、生育は良好です。しかし、今年はしっかりとコナギが生え、まる三日かけて手取り除草し、今の生育に至っています。

今年は、4~6月は過去に例がないくらいの小雨でした。水溜や田植えの遅れ、田植え後の生育不良などもおきましたが、7月に入ったとたん毎日梅雨空が続きました。
今年も、会員のほ場を巡回して稲の出来具合を確認しました。

光元 有機栽培4年目のほ場です。今年も生育は順調です。

宮本 有機栽培7年目のほ場です。今年は、田植えkを工夫して動力除草機を縦横に押してみましたが、やはり、雑草の発生は多く、6月末から約2週間来る日も来る日も手取り除草に励みました。

大江
有機栽培4年目のほ場です。サツマイモ、ニンジンは順調に生育していますが、7月に入ってからの多雨の中、アスパラガスは今年は茎枯病に加え、雑草が繁茂して、生育不良です。

有機栽培12年目のほ場です。今年は田植前に米糠100㎏、田植え後に菜種粕100㎏(いずれも10aあたり)散布し、田植え後3回動力除草機をかけ、約10日間にわたり、手取り除草しました。それでもコナギの発生は盛んで稲の生育は今一歩です。今年は7月以降の長雨でやや稲が軟弱になり、全般的に葉を食害する害虫の発生が多い傾向にあります。イネアオムシやイナゴの幼虫が多く、葉っぱをかなり食害されました。

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA
KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

播元
有機栽培4年目のほ場です生育は良好です.
景山
有機栽培12年目
今年もコナギとウキクサ
景山のこの田んぼは、天水田のため、田植え以降7月1日まで、1ヶ月にわたり、ほとんど田んぼに水が入りませんでした。このため、田んぼに大きなひび割れが出来てしまいました。一時は収穫を諦める程稲が痛みましたが、7月からの降雨でやっと稲が元気になりました。
写真のように、まだヒビが残っています。加えて、まだ地面も固く、写真のように長靴で田んぼに入っても少しも足が沈みません。分けつもまだまだ少なく、収量がやや心配です。
また、雑草は田植え後に水がなかったため、タカサブロウなどの湿性植物が中心に繁茂しています(右写真)。しかし、7月以降田に水が溜まった後は、タカサブロウの下から、コナギも生え始めました。田んぼか硬いため、動力除草機も使えず、また、手取りも困難であり、困っています。どうなることやら・・・・・・

杉山
この田んぼも有機栽培12年目です。杉山は毎年栽培方法に工夫を凝らし、今年は、基肥の有機653を通常の2~5倍量を投入し、除草機と手取りで、稲の生育を雑草の生育よりも勝ることに成功したようです。今のところ生育は順調です

倶楽部員の有機栽培ほ場の田植えも6月初めには終わり、全員の有機栽培ほ場を巡回してみました。

宮本隆治
有機栽培6年のほ場です。今年も宮本氏は菜種粕+動力除草機体系で除草対策を行っています。なぜは今年は浮き草が大発生しました。これでかえって他の雑草が抑えられて災い転じて福となるでしょうか??。

大江泰司
有機栽培3年目のほ場です。サツマイモはマルチ栽培できるのでよく雑草を抑えています。今年は、サツマイモにネキリ虫が多く発生しました。
ネキリ虫は、ガの幼虫で、土の中に潜んでいて、作物の株もとと切ってしまいます。切られた株の近くの土の中に犯人が潜んでいることが多く、既に何匹かの犯人を捜して処刑することができました。
一方、アスパラガスは、昨年定植して今年2年目です。昨年は冷夏長雨のため、病気が多発しましたが、今年はどうなるでしょうか??

岸浩文
有機栽培11年目のほ場です。昨年は雑草(コナギ)の大発生に加えてイネミズゾウムシの被害で、収量は過去最低を記録してしまいました。今年も昨年のような稲の生育で、少し心配。

播元明美

景山伸幸
景山会長のほ場は有機栽培なんと11年目。
今年も雑草対策は菜種粕。そろそろコナギが生えてきました。
分けつがやや少ないので、稲の株を抜いてびっくり!!。根がほとんどありません。抜いた株を水の中でふってみると、なにやら白い虫は浮かんでくるではないですか、これはイネミズゾウムスの幼虫。これが根をかじっているので稲に元気がないのでしょうね。 しかし有機栽培では対処法なし、ただ、稲の発育速度がイネミズゾウムシの食害を上回るのを待つのみです。

杉山憲一
ことらのほ場も有機栽培なんと11年目。研究熱心な杉山氏は、今年も、菜種粕やら液体マルチやら、いろんな方法で雑草対策に取り組んでます。

巡回終了

有機農産物の認定生産行程管理者調査

先日、「有機農産物の認定生産行程管理者調査について」報道されました。趣旨、内容などは次のとおりです。(農林水産省のHPから抜粋)

早速、9月5日(金)に、農林水産省の担当の方が調査に来られました。
当日は、杉山憲一のほ場を調査されたのち、書類を調査されました。約3時間にわたる調査で、書類等では問題がないとおっしゃられていました。
このあと、9月下旬に収穫される有機無農薬のコシヒカリの残留農薬検査を行って頂くことになっています。

暑い中熱心に調査して頂きました

その後、連絡があり、問題なしということで、安堵しました。

 

ことし2回目のほ場巡回

7月下旬になり、そろそろ最高ぶんけつ期が近くなりました。稲の栄養成長もおおよそ今の時期まで、これからは穂が作られる時期になります。ことし2回目のほ場巡回を行いましたので、私たちの今の田んぼの様子をご紹介します。

光元正夫
前作大豆、有機無農薬栽培2年目のほ場(転換期間中ほ場)。品種はコシヒカリで5月下旬に田植えしました。
前作が大豆であったためか、稲の生育は順調です。除草対策はくず大豆、動力除草機の利用です。
稲の生育は順調 株元には少しコナギ、ウキクサの発生があるが、大きな被害が出るほどではない。一部に「コブノメイガ」という害虫の発生が見られた。

宮本隆治
有機栽培5年もほ場です。今年は5月下旬に雨が少なく、田植えは若干遅めの6月6日、もちろん品種はコシヒカリです。
今年は菜種粕とくず大豆を元肥に使い、動力除草機を3回、そして手取り除草はこの15アールの田んぼでもう延べ20時間以上行っています。
とにかく厳重でまじめな宮元氏は除草機で、そして手で草を取ります。
今年も美味しいお米ができそうです。

分けつがやや少なめですが、生育はよい。実は昨年はイネミズゾウムシの被害で大減収しています。
写真右がくず大豆施用、左が菜種粕利用です。
ちなみに中央の1条あけているところに山積みされているのは手取りした「コナギ」です。

この写真もなかなかすごい。畦畔には手取りした雑草(コナギ)がびっしりとおかれています。とにかく宮本は草をまじめにとります。

 

大江泰治
有機栽培2年目の転換期間中のほ場です。今年はこのほ場には、ジャガイモ、サツマイモ、アスパラガス、ニンジン、ラッキョウを作付けする予定です。

手前の耕起してあるところには、ジャガイモ(男爵)を作付けしていました。ここには、この後、ニンジンとラッキョウを作付けする予定です。
このほ場は周囲ののり面が大きく、先日、のり面の草刈りを行ったところです。
奥に少し見えるのはアスパラガスとサツマイモです。

左がアスパラガスです。アスパラガスは品種はスーパーウエルカム、2月に播種して温床で育苗して5月に定植しました。土作りは山野草堆肥中心です。アスパラガスの収穫は定植2年目からです。今年はこれから株をどんどん大きくさせて、来年の収穫につなげていきます。
右はサツマイモ。品種は不明(岸の家に毎年作っている品種です)。3月に温床で芽出し、育苗して、5月に定植しました。先日刈ったのり面の山野草で草マルチをして雑草の発生を抑制しています。秋には美味しいサツマイモがとれそうですね。

岸浩文

有機栽培9年目のほ場です。品種はコシヒカリ、5月下旬に田植えしました。
元肥は菜種粕、動力除草機を2回押しましたが、コナギの発生は非常に多い。早く手取り除草しないとお米がとれないよ~。 (*^_^*)

播元明美

前作大豆、有機無農薬栽培2年目のほ場(転換期間中ほ場)。品種はコシヒカリで5月下旬に田植えしました。
前作が大豆であったためか、光元のほ場と同様稲の生育は順調です。
元肥は菜種粕。動力除草機を5回も押しています。雑草の発生は少なく抑えられています。
しかし、株もとを見ると・・・おやおや、イモチが・・・・・! (-_-;)
稲の生育は良好。少しできすぎぐらいです。

株元の葉っぱに何か赤い斑点があるぞ~!!

景山伸幸

有機栽培10年目のほ場です。元肥は菜種粕、くず大豆です。さすがは景山会長稲のできも順調です。しかし一部では雑草(コナギ)がたくさん生えているぞ~。
まあ、これくらいのコナギの発生なら、何とかなるかと本人は至って楽観的??

杉山憲一

ほ場巡回研修をしている内、あたりは暗くなってきてしまいました。
杉山氏の取り組みは前回ほほ場巡回でご紹介しましたが、菜種粕、籾殻くん炭、カラシ菜のすき込み、・・・・・いろんな方法で、とにかく手取り除草なしに雑草の発生を抑制する方法をいろいろと駆使しています。暗くなってきたので写真はがうまく写せませんでしたが、今年はやや失敗気味か、雑草の発生は多いようです。
これから手取り除草を行うのでしょう・・・・・。

有機JASほ場巡回

無農薬で米を栽培する場合毎年困るのが除草対策。今年もいろんな方法を試しています。
今までの試行錯誤の中でわかったことは、

  1. 従来の重要雑草であった「ヒエ」は菜種粕または米ぬかを使うことで押さえることができる
  2. クログアイ等の多年性雑草は秋に耕して寒さに当てれば押さえることができる。
  3. 液体マルチの方法は効果が高いがコストがかかる。また「岡山有機無農薬」には認定されない。
  4. 動力除草機は株間に雑草が残るため手取りも加える必要がある。
  5. コナギは少々発生しても秋には稲刈りに支障はなく、大発生しない限り問題ない。
  6. いろいろは雑草対策を試行錯誤した中、どのほ場にもコナギが大発生するようになった。

そこで、今年はコナギ対策として、様々な方法を検討することにしました。しかし・・・あっと驚く方法はなかなかないものです。

杉山憲一ほ場。3月にカラシ菜を播種し、青刈りして田んぼにすき込みました。茎葉が分解して雑草を押さえることができる??

杉山憲一ほ場。ここは私たちの慣行栽培である菜種粕を使った田んぼです。菜種粕を使うことで、ヒエなどの湿性雑草は押さえられますが、やはり「コナギ」はしっかりと生えます。

液体マルチを使用した田んぼです。ちなみに液体マルチは有機JASでは使用が認められていますが、より厳しい基準の「岡山有機」では使用禁止です。従ってこのほ場は「有機認定ほ場」となります。液体マルチでは、さすがに雑草の発生が少なくなります。ウキクサは液体マルチでは効果がないのでしっかりあります。

景山ほ場です。この田んぼは慣行の菜種粕使用です。
5月23日田植えです。コナギ、アオミドロなどの菜種粕で効果がない雑草はたくさん繁茂しています。

景山の大豆を散布した田んぼです。大豆を田んぼに散布して大豆が腐るときにでる物質で雑草発生の抑制をねらったものです。
こちらも5月23日田植えです。

宮本、右が大豆、左が菜種粕を散布したほ場です。
田植えはやや遅く6月5日です。まだまだ稲は大きくなっていません。

岸です。5月25日田植え。5月31日菜種粕120㎏/10a散布。6月14日動力除草機。生育はやや遅れ気味。イネミズゾウムシ多。コナギ多発・・・・・まずいぞ!!

播元です。5月20日田植え。
菜種粕。動力除草機。
前作大豆のせいか雑草は少なめ。稲の生育具合ははばっちりOKです。

稲刈り

今年は梅雨明け以降、例年にない暑い夏。水不足も心配されましたが、溜池の水もなんとか足りて、今年は近年にない美しい熟れ色の稲になりました。


収穫の頃になってもまだまだ暑い日が続き、宮本は、コンバインにビーチパラソルをつけて暑さをしのいで稲刈りをしていました。今年は、小雨にもかかわらず、最後まで水があったせいでしょうか、有機無農薬田では、最もよく生える雑草のコナギが収穫時期になっても残っていました。
株間にある緑の葉っぱがコナギです。

有機無農薬フェアー

今年も、岡山県主催の有機無農薬フェアーが10月21日にコンベックス岡山で開催され、籾村セーフティーライス倶楽部も参加致しました。
当日はあいにくの雨模様で、倶楽部恒例のポン菓子を実施することができませんでしたが、店頭精米でのもむらいすの販売、焼き芋、野菜の販売を行い、多くの方々にご利用頂きました。ありがとうございました。
今年は、野菜は黒大豆の枝豆、里芋、サツマイモ、ユズ、柿等の収穫の秋にふさわしいものを準備したしました。